ビジネスにおいて、特に理系で働く人間にとっては具体化が必要とされる場面が多いと感じます。ではその反対にある抽象化とはビジネスで使えないものなのか?
今回は抽象化の価値について考えていきます。
メリットとデメリット
具体化のメリット
受け手による差が少なく詳細内容が正確に伝わる。計画が立てやすい。
抽象化のメリット
受け手に違いがあっても本質的内容が伝わる。計画の修正がしやすい。物事を俯瞰的に見られる。
デメリットはそれぞれの反対にあたるものとなります。
2つの例
例えば部下に業務指示をする際に一つ一つの手順を具体的に説明したとしましょう、最初は迷いもなく即座にスタートできるメリットがあります。しかしそこにはそれ以上の可能性は望めません。なぜなら具体的な手順のみではどこを目指しているかが分からずに部下の能力が発揮される領域は狭いからです。そして誰がやっても良くも悪くも近い結果となります。また何か不測の事態が起きると対応できない可能性が高いでしょう。
対して具体的手順ではなく何を目指しているか抽象的に指示をしたとします。この場合初動には時間がかかるでしょう。しかし部下の能力が発揮される可能性が十分にあり長期的に見た場合はメリットのでる可能性があります。また不測の事態が起きても臨機応変に対応できる可能性が高いです。
別の例で言うと地図の読み方・どこかへ行く際の考え方です。 具体的思考は全て道順を覚えるようなものです。「最初の交差点を右に曲がり、2つ目の交差点を左に曲がり」といった感じです。全て間違えなければ良いのですが、一箇所間違えると分からなくなってしまいます。
これが抽象的思考は地図を大まかに見て目的地の位置と自分の位置から方向を考えるようなものです。「だいたいこっちの方向だからここで曲がっても次で曲がっても行けるよね」といった感じです。
抽象化と哲学
現代社会は実学思考の傾向があると感じていますが、これは何か課題があった際に具体的な対策を求めがちということだと思います。ビジネス書にせよ、ネット情報にせよ具体的な内容に事欠かない時代です。対して抽象的なものとはなんでしょう?私はこれにあたるのが哲学だと思います。哲学は一見するといま自分が抱えてる問題と関係なさそうな気がします。しかし物事の本質、普遍的なもので思考を厚くするのに役立つものだと思っています。
まとめ
具体化、抽象化どちらにもメリットとデメリットがあります。どちらが優劣というものではなく、具体化と抽象化を行き来できるのが理想だと思います。具体化については価値もわかりやすいですが抽象化についてはわかりづらいかもしれません。しかし具体化と抽象化を対比させることにより価値が見易くなると思います。抽象化についてはアナロジー思考としてまた別の記事で触れたいと思います。
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