仕事をするにあたって優先度の議論は良くあります。技術分野の仕事では優先度を決める要因が見えやすいもののため比較的簡単ですが、会社経営に関わる内容や風土に関わる答えのない課題対応については優先度の議論は難しくなりがちだと思います。今回は優先度の判断が難しい場合に考えることについてです。
考えるべきこと
重要度と緊急度
優先度を考える際に重要度×緊急度などと言われることがあります。もちろん重要度も緊急度も高い仕事があれば優先度は高くなります、しかし双方の大小が逆転しつつも掛け算の結果が同じ数値となる場合どちらを優先すべきでしょうか?また自分の身の回りを見た際にどちらが優先的に行われているでしょうか? 恐らく重要度の高い仕事がありつつも緊急度が高い仕事もあるのだから仕方がないということで緊急度の高い仕事が先に行われているのではないでしょうか?更にはいつの間にか緊急度の高いものは重要と判断されているケースすら存在します。しかし緊急度と重要度はあくまで別です。
目的は何か
なぜ緊急度と重要度が誤解されてしまうのでしょうか?それは何を目的に重要・緊急と判断しているかによるのではないかと思います。視野を広く持ち会社全体を見ている人は会社への影響を考えます。その際、もちろん緊急度の高い案件も軽視されるべきではないのですが、それ以上に重要度の高い案件を見落としません。しかし目の前の仕事や期限であったり自分の成果や評価を見ている人は、重要度と会社の影響への紐付けが弱く重要度が軽視され緊急度が重視されることになります。また会社への影響という比較的抽象的なことに対し、納期・成果などといった具体性の高さからくる判りやすさ(深く考えずとも目に入ってくる)も緊急度が重視される理由として考えられます。
どちらを優先にすべきか?
では結局どちらを進めれば良いのか?私はどちらも並行して進めるのが良いと考えます。その理由として3つ考えられます。
1つ目は着手して初めてわかる課題があるということ。これは皆さんも経験があると思います。緊急度の高い仕事を片付けてからといって重要度の高い仕事を後回しにしすぎると、緊急度の高い仕事の課題が追加で見えてきた場合に重要度の高い仕事は更に後ろに追いやられます。バランス良い時間配分をするためにもできる範囲で並行に行うのが良いと考えられます。
2つ目は時間はあればあっただけ使うということ。これは時間の使い方にも類似の内容を書きましたが、終わりを意識しないと無駄な時間を過ごしてしまうということです。並行して行えば時間の浪費を少なくすることができます。
3つ目は緊急度の高い仕事は次から次へとやってくるからです。まずは緊急度の仕事を片付けてからと言っていると、その間に次の緊急度の高い仕事が舞いこんできて、重要度の高い仕事が行われることはありません。重要度の高い仕事は比較的長期に渡る仕事の場合が多いです。その為少しづつでも並行して進めるのが良いと考えられます。
まとめ
仕事の優先度、これはなかな難しい問題で上司であればできているかというとそうでもありません。以前、孫正義さんの志高くという動画の内容にふれましたが、「『まずは』と言っているうちに人生はあっという間に過ぎていく」。孫正義さんも「まずは(目の前のことを)」という人が多くいると感じているのだと思います。この動画では人生の話をしていますが、仕事においても「まずは(目の前のことを)」となったら、一旦立ち止まり広い視野で優先度を考えられると良いと思います。
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