答えのない課題に対峙するには

答えのない課題に取り組む際、時として論理的思考が壁となる場面があります。特に理系の職場において、過去の実業務の経験が通用しないマネージメント業務などをするにあたっては、論理的思考からのマインドセットが必要となることがあります。

論理的思考の弊害

答えのない課題に取り組む際の論理的思考の弊害とはどういったものでしょうか?
例えばモチベーションの低下が課題となっている場合で考えてみましょう。

2元論に陥る

業務を進めるにあたり白黒決着をつけるというのは必要なことです。しかし中には決着がつかない状態のままことを進めるという判断も必要です。
例えば一般的にモチベーションに関わる要素として報酬があります。これが要因としてあげられるかどうかを考える時に、影響するのかしないのかの2元論で考えてしまうと、間違った方向にいく恐れがあります。実際はある程度影響するし、ある程度無視できるのです。

優先度をつけたがる

リソースが限られた中で仕事をする際には効率的に課題を潰すのに優先度をつけるのは有効です。しかし常に優先順位に囚われ視野を狭くしてしまうのは問題です。
報酬の他に関わる要素として仕事における価値観との合致などもあるでしょう。他にも要因として考えられるものは多くあります。そしてモチベーション低下のような課題の場合優先順位はあってないようなもので、どの項目も必須条件であり十分条件ではない、つまりどれも手を打つ必要があり、どれかだけ手を打ったからといって解決するようなものでもないのです。

根拠を求めすぎる

理系の職場ではエビデンスがよく求められます。根拠がなければ間違った結果になる可能性もありとても重要なことです。
しかしモチベーションの低下の要因を考えた際、根拠など確定的なものが出てくるでしょうか?アンケートという手段をとる場合もあります。ただしそれは根拠となりうるのでしょうか?
施策実行と根拠追求はバランス良くする必要があり、時には根拠が不十分な場合でも進まなくてはいけない、特に答えのない課題であればなおさらです。

数値に頼りすぎる

物事を判断する際に数値化された情報というのは非常に扱いやすいです。理系の職場においては尚更に数値が重要視されます。しかし、モチベーションのような課題に対峙する際、数値化というものがどこまで本質を捉えられているのでしょうか?
例えばモチベーションに点数をつけ何かの施策の前後でポイントアップしたところで、本当に社員のモチベーションは上がっているのでしょうか?そこは肌で感じられる空気感が物語っていると思います。数値は代替指標であってその空気感全ては示してくれないのです。

マインドセット

論理的思考からのマインドセットとして必要なことはなんでしょうか

無知の知

今まで論理的思考で様々な課題を解決してきた成功体験があるでしょう、しかしこれが弊害となります。今までの経験をフレームワークのように何も考えずに使っているとうまくいきません。自分の無知を自覚するのが大前提として必要となります。

無用の用

数値は代替指標でしかないと書きましたが、特にマネージメントで扱うような答えのない課題においてはこの傾向が強くなります。要因も多岐にわたり、階層としても多重階層となることがほとんどです。それをつぶさに紐解くのはおそらく力のかけどころとして不適切だと思います。課題に対して何か必要なことを慌てて拾いに行くのでなく、常日頃から関係の有無ではなく様々なことを吸収する必要があります。どこかのタイミングで点と点が繋がっていく感覚を覚えるはずです。

一つの解決策に拘らない

前述した通り、必須条件であり十分条件でないという認識が必要なのと、優先順位に走らないことが重要です。
また解決策を探るにあたっては過去の記事を参考にしてみてください。
https://atoput.com/solution/(新しいタブで開く)

結果を急がない

答えのない課題と言っている以上そう簡単に答えにはたどり着けません。目標や計画や成果といった既成概念に囚われていては答えは出てこないでしょう。既成概念から離れることにより、気づいたら答えが出ていた、答えのない課題の場合これくらい手放す必要があると思います。

まとめ

無知の知や無用の用はもちろん、一つの解決策にこだわらない、結果を急がずに議論を重ねる、これらはどれも哲学に通じる考え方です。答えのない問題を探求し続ける哲学から学ぶことは多いと思います。

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